うちの次男は、本当は4月中旬に生まれる予定でした。
でも、私の早産体質もあり、切迫早産で2か月半入院し、退院することなく3月中に破水・出産となりました。
健康に生まれたことに感謝したけれども、学年がずれてしまったことに不安、そして後悔。
その不安通り、次男は早生まれということで同学年の子に比べて発達が遅く、体力面でも生活面でもできないことが多いと感じることがしばしば。本人も親の私も大変な日々。
「なぜ4月に産んであげられなかったのだろう・・・」と、後悔をする毎日でございました。
そんな私の前に現れた一冊の本、「本当はすごい早生まれ(著:瀧 靖之)」。
この本を読んで「3月生まれでラッキーだったのかも」と思えるように。
そして今までの次男へのかかわり方を見直すきっかけにもなりました。
同じように悩んでいる方・不安を抱えている方に、ぜひ読んでほしいと思い、今回ご紹介します。
「早生まれは不利」という論文について
2020年に東京大学大学院の山口慎太郎教授が発表した論文は、当時、たくさんのメディアの取り上げられるほどの反響がありました。
その内容は「早生まれは不利」だということを裏付けるようなもの。私もこの論文を取り上げた記事を読んだ時は愕然としました。うちの次男は「不利」?成績は遅生まれにはかなわず、成長とともに差は縮まるが、でも差は残る?非認知能力も遅生まれの方が有利?早生まれは「先生や友人から認められていない」と感じることが多く、対人関係で苦手意識??!
早生まれの子の親としては、とてもツライ内容です。
しかし、これらの内容を「早生まれは不利」から「早生まれは有利」にしてくれるのが、この本の素晴らしいところだったのです。
「不利」と言われて慌てて塾通いはもったいない
早生まれの子は、遅生まれの子に比べて、学習塾に通っている子の割合が高いそうです。一方で外で遊びまわっている時間や、スポーツや音楽の習い事をしている割合は他と比べて低いそう。この結果は、親が子の遅れを取り戻したい一心で一生懸命やっている結果かもしれません。しかし、実はこれが逆効果の可能性が。
脳の中に「海馬」という部分があります。これは脳の中で記憶を担当している部位。
この「海馬」は運動をすると体積が増えるのだそうです。
ということは、子供を賢く育てたければ、学習塾に通わせるよりも、外で遊びまわっている方が有効な可能性があるよね、ということになります。
早生まれが本当は有利な理由
脳には「可塑性(かそせい)」という、経験によって柔軟に変化できる性質があります。
もちろん大人にもありますが、若いほどその力は強い。
早生まれの子は、学年の中で最も若い脳で集団生活をスタートします。
つまり、刺激を受ける期間が長く、可塑性を最大限に活かせる環境にいるということ。
本来はとても恵まれた条件なんです。
これは早生まれの可能性を感じさせてくれますよね。
そんな早生まれが実力を発揮できない理由
そんな素晴らしい条件で育っていく早生まれ。
とはいえ、どうしても発達段階での問題は存在します。集団生活をする中では、どうしても学年の区切りが発生します。その学年の区切りの中では、当然、4月生まれの子もいれば、3月生まれの子もいます。幼ければ幼いほど、この1年の個々の発達差は大きくなります。当たり前ですよね、生まれたばかりの赤ちゃんと、歩き始めている可能性すらある1歳の子では、できることが全然ちがいます。それは当たり前であり、本人の個体としての能力が低いわけではない。でもそのことが原因で、実力を発揮しにくい状況になることがあるのです。
「自己肯定感」と「自己効力感」、子育てをしていればよく聞く言葉。
自己肯定感とは、自分を大切だと思える感覚。
自己効力感とは、自分が頑張ることで何かを達成できると思える感覚。
この感覚を育てることが大切だということはなんとなくわかると思いますが、このことが早生まれが実力を発揮できない理由に大きく関わっています。
早生まれの子は、同学年の遅生まれの子たちと比較して、発達の段階が影響して勉強も運動も遅れがちです。そのため、先頭に立つことに慣れていません。何かの代表になったり、成績で褒められる機会が少ない可能性すらあります。後塵を拝すことが当たり前になった早生まれさんには、「自分はこんなもの」「自分には出来ない」という思い込みが出来上がります。これでは自己肯定感や自己効力感が育ちにくい状況となります。そして更に、周囲も「早生まれだから仕方ない」という雰囲気を出します。これが恐ろしいステレオタイプの脅威となるのです。
ステレオタイプの脅威とは、「自分はこうみられている」というネガティブなイメージを意識するあまり、本来の実力を発揮できずにパフォーマンスを低下させてしまう現象。
ステレオタイプの脅威は、自己肯定感にも関わるといわれています。
ということで、早生まれは自己肯定感の低下とステレオタイプの脅威によって実力が発揮しにくい状況となっているのです。
早生まれが実力を発揮するためにできること
では、どうすればいいのか。
まずは周囲がこのステレオタイプの脅威について理解し、不要な諦め言葉を発しないこと。そして、放っておいた状況では育ちにくい自己肯定感・自己効力感を、気にして育ててあげることです。
自己肯定感・自己効力感を育てる方法は、それは適切に褒めること。
適切にというのは、どう褒めてもいいというわけではないということです。
結論、結果ではなく、努力を褒めましょう。親が、結果ではなく努力に重きを置いた価値観でいることで、早生まれの子は救われます。なぜなら、発達段階の問題で、どうしても結果で比べたら負けてしまうことが多くても、努力であれば自分の頑張りでなんとかできるから。グングン自己肯定感・自己効力感が上がり、本来の実力を発揮できるようになっていきます。
自分は頑張れる子なんだ、だからきっとなんでもできるんだ!!と。そのように思えれば、将来、発達が追い付いてきたときには、本来の好条件も相まって、しっかりと実力を発揮し、きっと素晴らしい人生を歩めるようになるのではないでしょうか。
中学受験は考えてやろう
前半で紹介した山口教授の論文では、中学受験での早生まれが不利だというデータの紹介がありました。この本の著者である瀧 靖之さんは、データはあくまでデータなので全員が当てはまるわけではないということを本の中で何度も言っていますが、とはいえちょっと気になりますよね。
そんな中で、瀧 靖之さんも早生まれの中学受験について、気を付けるべき点がいくつかあると言っています。この話はまた違うところでご紹介したいと思います。
うちの子について
実際、自分は早生まれの子を育てています。本に書かれている通り、まだ年長さんということもあり、発達の段階の問題で遅れをとっているところがいくつもあるうちの息子。でも、この本を読んで私自身が変わることができました。うまくいかなくても頑張っている努力を褒め、好きなことがあれば好きなことを見つけて取り組めていることを褒め、「自分は素晴らしいんだ」と思えるように声掛けをしています。
うちの子は、すっごく努力家に育っています。本人が意識しているのかしていないのかはわかりませんが、誰かがサボっている瞬間も、静かに静かに努力を続けていて、現段階で自分の前を行くものたちを一矢報いてやろうと思っているのではないかと思ってしまうほど笑
将来的にどんな風に育つかはわかりませんが、少なくとも、周囲の大人がこの子の可能性をつぶすようなことはしたくないなと思うのです。
というわけで、早生まれのお子さんを持った方、そして早生まれのお子さんに関わる機会がある方には漏れなく全員にお薦めしたい本「本当はすごい早生まれ(著:瀧 靖之)」のお話でした。
ただの育児本ではない。ぜひ読んでみてください。

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